子鍵から電気錠システムまで
通⽤⼝や勝⼿⼝も注意しよう。侵⼊から守る防犯対策
警視庁の調べでは、秋から冬にかけて侵入窃盗犯罪のピークのようです。侵入窃盗(居空き、空き巣、忍び込みなど)に対する防犯としては玄関や窓に着目しますが、一方で見落しがちなのが「住居やビル・テナント裏手の通用口・勝手口」「非常口」「建物の死角」などです。今回は、玄関ドア、窓の次に対策したい侵入口の防犯対策を考えてみましょう。
侵入窃盗の侵入手口と侵入口
いわゆる「泥棒に入られる」、つまり侵入窃盗被害は、犯罪の手口には居空き、空き巣、忍び込みの3つがあります。よく知られる「空き巣」は住人が不在の時に入る窃盗犯罪で、警視庁による「令和2年の犯罪」という統計では、侵入窃盗犯のもっとも多い手口として全体の約66%を占めています。
片や、「居空き」は住人が在宅時に侵入する窃盗犯罪で、住人が就寝中である場合に「忍び込み」と分類します。在宅時を狙うのは大胆不敵ですが、住人がいつ帰宅するかわからない空き巣に比べて、寝ている場所や集っている部屋など住人それぞれの行動を把握して犯罪を実行できる空き巣や忍び込みのほうが泥棒にとっては都合がよいようで、その割合も3割強と侮れない、注意すべき犯罪です。
また前述の警察庁のデータによると、戸建て住宅・集合住宅の約50%が無締り(無施錠)の箇所からの侵入となっており、侵入手口としても無締りでの被害が最も多くなっています。
この無締りには、ドアの鍵破りや合鍵を使った侵入、その他無理やりドアや窓を開けたものは含まれていません。また、玄関ドアや窓だけではありません。今回注目する非常口や勝手口、通用口も含まれています。住人がついうっかり施錠を忘れた、もしくは在宅時で換気やその他の理由で意図的に開けていたところから侵入されたことになります。それが玄関や窓だけでないのは想像に難くありません。統計にはありませんが、むしろ玄関ドアを閉め忘れるケースよりも、人目につかないことや、すぐに戻ってくるからとか、面倒だからと勝手口や通用口を閉めずにそのままにしてしまうことも少なくないのかもしれません。
それがオフィスや店舗が入るテナントビルの共用の通用口となると、従業員をはじめ不特定多数の人が使うことになります。次の人のためとか、すぐに誰か通るだろうと気を利かせたつもりで、施錠せずに使用することも多いのではないでしょうか。
戸建ての勝手口、共同施設の非常口や通用口などは、防犯上の死角といってもよいかもしれません。
勝手口、通用口、非常口の防犯強化策
勝手口や通用口・非常口にも、玄関ドアや窓と同様に防犯対策が大切です。