子鍵から電気錠システムまで
インターホンで外観も美しく。リニューアルで空室対策も
インターホンは、住宅の付帯設備の中でも重要かつ欠かせない設備のひとつです。
戸建てはもちろん、集合住宅においても、家電は自由に後から選んで備えることができますが、インターホンはすでに備わっており、住宅選びや物件価値に大きな影響を与える設備といっても過言ではないはず。
引っ越しや新生活が盛んになることを見据え、インターホン設備を見直してみるのはどうでしょうか。
インターホンは空き室(入居率)にも影響する人気設備
インターホンが必要か否かを議論するのはもはや意味がありません。インターホンは、家庭にいる時間が増え、住宅環境にさらに目を向けられるようになったコロナ禍以前から、訪問者と家人をつなぐ住居に欠かせない設備です。
インターホンをつけるかどうかではなく、どんなインターホンが備わっているか、どんなインターホンを付けるかが重要なのです。
訪問者の来訪を知らせるチャイム、呼び鈴、ピンポン…、それだけの機能では設備を示す言葉が思い浮かばないように、インターホンの機能は「呼び出し」だけではありません。今や来訪者が映り、映像を記録し、不審者や不要な訪問を避け、不在時でもリモートで対応できたり、といったことが当たり前になってきました。
とくに集合住宅では、インターホン設備は共有玄関にあって物件の顔ともなっており、エクステリアの雰囲気を醸し、住宅としての物件価値を高めることに有効です。テンキーでなくタッチパネルで、自動で来訪者に対応し、セキュリティ面でも信頼の厚い、そのようなインターホンを備えることは、入居者の集客や反響を増やし、空き巣や不審者の侵入を抑制するといったように入居率向上にも期待できます。管理物件のインターホンがそうでない場合、設備の見直しを検討することは、営業上、最重要事項に違いありません。
インターホンの主な寿命と取り換え時期
新しい物件は別として、インターホン設備の見直しを検討するうえで気になるのは、すでに運用している物件に備わっているインターホンの取り換え時期でしょう。
インターホンは24時間365日、休みなく稼働しているため、設置から一定期間を経過すると、経年変化による故障発生率が上がります。いろいろな不具合や故障が発生したり、その可能性も高くなることから、ここが交換の目安といえなくもありません。インターホン工業会では一般的なインターホンの更新期間を、一般住宅用(家庭用)で10年、集合住宅用で15年と案内しています。
10~15年を経なくとも、新モデルが登場し、旧モデルが生産終了になることもあります。補修用性能部品(機器の性能を維持するために必要な部品や基板)の一般的な保有期間は約7年といわれ、これを経過すると、修理ができない場合もあります。集合住宅では、部分的な故障でも、その度合いによってはシステム全体の交換が必要になることもあります。
使用できなくなるほどの故障に至らずとも、モニターが見えにくくなっていたりと、安定性や機能の低下が見られたり、入居者の多くが必要とするような機能が不足していたりすると、物件の印象を下げてしまったり、現入居者がストレスや不安を感じることもあるでしょう。こんな時も交換を検討するタイミングといってもよいのではないでしょうか。
インターホン交換のポイント
インターホンは、電源と直結していたり、ドアチャイムや各種警報器、システムの一部として連動しており、専門知識が必要になることが多い設備です。前述のような何らかの不具合が起こった時に、まずは修理可能なのかどうかを確認しましょう。設備や仕組みに明るくない場合は、必要に応じて専門家に入ってもらいましょう。
そのうえでインターホンシステム全体の見直しが必要となった場合、専門業者とともに最適なインターホン設備に交換、リニューアルすることをオススメします。
その際、活用シーンを考えてみましょう。どんな人たちが使用するのか。どんな使われ方が多いのか。使用者や目的によってどんな機能があると便利なのか、皆がストレスなく使えるのか。そして最後にそれら活用シーンに見合う具体的な機能やサービスを検討しましょう。カメラ機能や録画機能、セキュリティ機能のほか、集合住宅のエントランスに設置されている「集合玄関機」ではタッチパネルや非接触キーが採用されているもの、不在時の届け物をお知らせしてくれるものなど便利な機能が盛りだくさんなので予算や必要に応じて選びましょう。
インターホンのリニューアル、メンテナンスには、鍵と防犯の正しい知識や技術が求められるケースも少なくありません。インターホンの集合玄関機にはキースイッチ(鍵穴)や非接触キーが採用されているものもあるため、交換時期の調査やリニューアルの検討、詳しい機能についての相談などは、ぜひ鍵と防犯の専門店に問い合わせていただくとよいでしょう。