子鍵から電気錠システムまで
金庫が開かない!金庫最大のトラブルの対処と準備
金庫というと泥棒対策と思われがちですが、それは金庫の機能の一部に過ぎません。現金や宝石、権利証などの失っては困るもの、盗まれる危険のあるものを守るだけでなく、火災や水害など自然災害から大切なものを守るという役割も大きいです。災害大国の日本では、実際に東日本大震災後に金庫の需要が高まるなどしています。そんな金庫のトラブルについて確認しておきましょう。
金庫のトラブルの多くは解錠のトラブル
一般のご家庭では、金庫があっても金庫を使うシーンは稀でしょう。重要書類にしろ貴重品にしろ、日ごろから頻繁に使うものではないため、金庫を開け閉めする機会は多くありません。そして、いざ開けようという時に開かなくて困った、という経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
鍵を失くしたり、暗証番号を忘れたり、解錠の際の操作がわからなくなったり、間違ってロックがかかってしまったり。あるいは、インターバルが長すぎたせいか電池切れや故障に見舞われるといった不備もあり得ます。
そんな時、金庫といえども製品ですからメーカーに問い合わせたり、販売店に連絡したりという方法もありますが、家庭のセキュリティ対策のプロである鍵の専門店も有効です。万一の際、問い合わせる時は何に注意すればよいでしょうか。
鍵の専門店に問い合わせる際の注意
金庫が開かなくなった場合は、事前に次のことを確認し、鍵の専門店に問い合わせるとよいでしょう。
まずは、いつ、だれが、どのような操作で、トラブルが発生したのかを伝えましょう。暗証番号を間違えた場合は、間違えた暗証番号や回数。タイムロックがかかった場合は、その時間なども必要があれば伝えましょう。シリンダー式のキーやカードキー、その他付属品を使用した場合は、そちらも保管しておき、提出できるようにしておくとよいでしょう。
金庫には大きく分けて3種類あり、1つはおもに火災対策として使用され、夜間のビル火災から地震の衝撃や二次災害としての火災まであらゆるケースの火災を想定して作られた「耐火金庫」。もう1つは、ドリルやハンマーなどの工具による破壊行為やバーナーによるガス熔断に耐えられるかなどの防犯かつ耐火性能を備えた「防盗金庫」。そして最後に防犯性能だけで耐火性能のない「防盗庫」があります。
また、金庫のロックタイプには、次のようなものがあります。
・シリンダー式
鍵を差し込み回して、錠を開け閉めするタイプ
・ダイヤル式
ダイヤルを左右に回して解錠する(鍵を開ける)タイプ
・テンキー式
暗証番号のボタンを押して解錠するタイプ
・タッチパネルテンキー式
鍵穴やボタンをなくしたフラットなタイプ
・マグロック式
マグネットキーを当てて解錠するタイプ
・ICカードロック式
ICカードや携帯電話が鍵になるタイプ
・スマートフォンロック式
アプリから金庫をコントロールするタイプ
・指紋照合式
登録した指紋で解錠するタイプ
・顔認証式
登録した顔情報で解錠するタイプ
・マルチロック式
テンキー式・指紋照合式やICタグ式など複数の認証方式を収めたタイプ
金庫やロックタイプの種類なども、答えられるよう確認しておきましょう。
金庫の型番や製造番号、鍵番号を控えておきましょう。型番や製造番号は、金庫本体の右下や側面、電池フタの裏などに記載されています。鍵番号は、鍵や鍵穴に刻印されているので確認しましょう。
金庫の修理を依頼する際には、身分証明書の提示が必要になる場合もありますので、準備しておきましょう。
以上のことを確認したら、鍵の専門店に相談しましょう。修理・買い替えを検討の方も、同様です。
最後に、金庫のトラブルを防ぐための最も有効な方法として、中身を確認するだけでもよいので普段から金庫を使用することを心がけることです。何度か使ったことがあれば、解錠の操作に慣れておらず開けなかったというトラブルは防げるかもしれません。急いで中のものを取り出したいという緊急の場合も、普段から使い慣れていれば、焦ることもありません。何らかの故障があったとしても、大事になる前に気づくことができます。
じつは金庫のトラブルで最も多いのは、あまりに長い期間、金庫の扉を開けることがなかったために起こることがほとんどです。取扱説明書はいつでも取り出せる場所に保管しておき、普段から金庫を施解錠して、使い慣れておくようにしましょう。